滝本ふぁーむ

滝本ふぁーむ物語

滝本ふぁーむのお米が作られる田んぼは、福井県勝山市の山奥にあります。林に囲まれ、自然そのままのとても気持ちの良い空間です。この林の中には父・滝本幹男が自然農法に取り組んできた、歴史、物語が詰まっています。

【物語1/開墾編】

山を切り開く、始まりはそこから。

滝本幹男の自然農法の米づくりは、1966年から始まりました。最初に行ったのは、周囲と隔離された自然そのものの林をお米づくりに適した土地にすること。山を切り開き、約10年放牧をして土づくりを行い、そこから田んぼをつくりました。
その頃には、日本の人口も増え多くの食料が必要になり、化学肥料や農薬を使いより生産性の高い農業が推進されていました。そんな中、自然農法に取り組む父への周囲の目は冷たかったようです。しかし、父は自然農法によるお米づくりにこだわりました。

 

それには理由が。母にはアトピーの症状がありました。「自然農法の安心なお米を食べさせたい」自然農法へのこだわりは、父のその想いから生まれました。

【物語2/湧き水編】

きれいな湧き水のために、土を掘る。

放牧により、美味しいお米づくりのための土壌もできてきました。そして、次に行ったのは米づくりに欠かせないきれいな水を自然からいただくこと。そのために、農場の中の土を掘り起こし、きれいな湧き水が出るため池をつくりました。大地の中でゆっくりとろ過された、自然そのものの水をいただけています。

【物語3/共生編】

自然と共生し、稲を守るために、小屋に寝泊まり。

『肥えた土』と『澄んだ水』を求め、多くの虫や動物が集まってくるようになりました。源氏ホタルやどじょうも生息しています。自然そのものの環境の中で、稲がきちんと育つためには、悩みもつきものです。こまめに雑草を除去することはもちろん、通常のお米づくりの何倍もの手間をかける必要があります。田植え後約1ヶ月間、父は植えたばかりの稲を動物たちから守るため、田んぼの中にある小屋で寝泊まりしています。自然と共生することを身をもって実践しています。

【物語4/合鴨編】

合鴨たちの力を借りる。

1991年から22年間、合鴨農法によるお米づくりを行ってきました。合鴨農法はヒナを水田に放し飼いにすることで除草・駆虫に効果がある農法です。自然栽培に役立つ農法だったためいち早く取り入れました。合鴨農法を続けていくと、父のこだわりはどんどん増していきます。最初は合鴨のヒナを購入していましたが、外部のものを極力入れたくないと、田んぼで活躍した合鴨を自分の農場内で育て、生まれたヒナに活躍してもらうようになっていきました。ここでも、自然との共生を実践していきました。こうして収穫したお米は、多くの方から注目され、フジテレビのTV番組で特選食材としても使われました。

【物語5/土壌編】

微生物たちと土壌を作る。

美味しいお米づくりの決め手は土壌づくり。父が出会い取り組んだのがEM微生物群を活用した土壌づくりでした。EM微生物群と米ぬか、魚粉、菜種油かすなどを独自にブレンドし2年発酵させます。微生物の力を借り自然のものだけで手間ひまかけてつくる自家製ぼかし肥料。お米のことを考え、自然な状態の土壌を作っています。
※EM微生物群とは、その土地に生息している微生物の中で浄化する働きを持った微生物を独自に培養させた複合微生物集団のこと。

【物語6/会話編】

お米と、自然と、家族の体と、会話する。

父が続けてきたお米作りは、会話を続けてきたことです。お米から、自然から、母の体から声を聞く。その声に従い、お米作りを続けてきたにすぎません。全ては「家族に、自然の力と自分達の手だけで育てた本当に安心できるお米を食べさせたい」という一心で歩んできました。父の息がしっかりと流れるこのお米は、世間一般の品質基準では測ることができません。自然は、人の体は、私たちにもわからないことだらけです。毎年、変化し成長していきます。しかし、滝本ふぁーむの田んぼではお米だけでなく、源氏ホタルやどじょうやザリガニなどたくさんの生き物が共存しています。これが本物の自然に近い環境であることを物語っているのだと思っています。

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